バカなことに一生懸命な高校生を描いた学園ミステリー。
九十九ヶ丘高校の昼休みは、なぜか11時55分から13時までの65分。その間に起きたいくつかのバカな学生たちの行動と、それに伴う謎。それを鮮やかに解き明かしたのは、なんと生徒会長であり、文芸部の部長でもある菅原正直。
ラーメン店の無料券を見つけたユウキとアキラは、校則違反と知りながら、昼休みに学校を抜け出し食べに行く。そんな秘密の行動を見破ったのは会長だった。
久しぶりの文化祭に、印刷した本を出すことにした文芸部。原稿の締め切りに間に合わすために、校内で合宿する部員たち。ただイラスト担当のアマリリスだけは自宅で頑張るはずが、締め切りの昼休み終了近くになっても登校してこない。部員の一人が学内で見かけたアマリリスが消失した謎。解き明かしたのはやはり、部長。
マドンナ女子に告白する権利を獲得するために、消ゴムを使ったポーカーゲームで戦う男子生徒たち。互いに協力したり、いかさまをして勝ち上がるものの、最後にはそれを見破り勝利を得たのは正直。
占いの館の前でつぶやかれた言葉から推理して、当事者のことを昼休み中推論する占い部員たち、しかし、会長は謎を聞いて10分で解き明かしてしまう。
生徒指導の森山先生は、この学校の卒業生。17年前に、ゲームに夢中だった彼を天文部に率いれた女生徒が、屋上の天文台から消失した。好きだった森山は、その謎が解けず、今も悶々としていたが、会長はたちどころに解き明かしてしまうが、森山には教えない。先生が自分で解答しないと意味がないと、ヒントをくれた。そしてようやく解き明かした森山先生は、彼女が実は身近にいたことに気づく。遅ればせながら、再開する恋。
最初は、何をバカなことに真剣になっているのだと、馬鹿馬鹿しくて、読むのをやめようとしたが、結局最後まで。
短編集だが、みな65分の昼休み中に起きたことばかりなんだよな。
うまいね。
馬鹿馬鹿しいことに情熱を捧げる、
愛すべき馬鹿どもの青春ミステリー、にしたそうだ。