父親の病院で内科医をしていた家入陽太郎は、高齢者の患者を見たて違いで、死なせそうになったことから、自信を失い患者を診られなくなった。そんな彼を父親は親友である名医三品に頼み、リハビリとして、働かせることに。

内科総合を担当させられ、研修医の束ねまで命じて、過酷な苦行をさせられていた。

そんなある日、腹部を刺された女性が救急に運び込まれた。脾臓まで達する傷だったが、名外科医のお陰で出血は止められたものの、その後急に容態が変わり死亡した。感染症による髄膜炎のようだが、原因となる細菌が特定できず、有効な治療ができなかった。

救急車とともに病院に来ていた女刑事成山有佳子は、手術後に一時的に安定した際に、容疑者の写真を被害者に確認した。被害者は美容研究家で、離婚した夫にストーカーされていて、第一容疑者だった。しかし、被害者は彼を否定した。では誰が刺したのか?

一方陽太郎は院長から、患者の急死の原因追究を命じられる。外科医の処置に過誤はなかったか?謎の原因菌は何か?

陽太郎と有佳子、医者と刑事の互いの捜査の結果に現れたのは誰だったか?


医療ミステリーは専門語や状況がわかりづらく、苦手であまり読まないのだが、これは読みやすくわかりやすいうえに、なかなか面白かった。

でも結局謎を解いたのは、名医三品院長かな。陽太郎たちは彼の手のひらで踊らされただけの印象だな。