頭を使う神経を使うゲームやミステリーは苦手で、敬遠するか、途中で読む気をなくすことが多いのだが、なんと最後まで読みきってしまった。たぶん主人公が魅力的だったのかな。

公立の頬白高校では、文化祭の時に、屋上に出展できる権利を巡り、毎年希望者によるトーナメント形式のゲームバトルで争われてきた。最近はゲームに強い生徒会役員が連勝していた。それに挑んだのが、一年生女子のイモリヤ真兎、彼女の友人が作った地雷グリコで争うことになる。高台にある神社までの階段をじゃんけんをしながら昇るゲーム。ただし、双方があらかじめ設定した地雷を三個づつ、審判にだけ通知しておく。地雷に当たれば、十段降りるとか、罰がある。いったいどこに地雷があるのか?それを利用して、いかに優位を得るか?互いの思惑を推理し、ゲームを進めていく。

これに勝利して、真兎は注目のまとになる。

カルタ部が馴染みのカフェで店主と喧嘩して出禁となる。そのとりなしに向かう生徒会役員に同行した真兎。店主と、カルタの絵札による神経衰弱ゲームをすることに。今回も早くから相手のいんちきを見破り、対処した真兎は勝利する。

普段は姿を見せない生徒会長が、真兎に注目し、自由律じゃんけんで挑んでくる。グーチョキパーの三種以外に、互いに一種の形と効果を審判にだけ通知しておく行う。果たして相手の自由律はどんな効果があるのか?それを確かめるにはどうすればいいのか?

今回も真兎は見事に勝つ。そして、彼女は中学時代に因縁がある、一人の女生徒に挑戦することになる。

私立の名門星越学園では、ゲームが盛んだという。入学時に一個十万円相当のチップを支給され、卒業時には増えていれば奨学金として受けとれ、減っていればその分を支払わなければならない。そして在学中は、ゲームによるチップの争奪戦が行われている。門外不出のチップだが、まれに外部に流出する。すると生徒会が、ゲーム勝負により、それを取り戻している。

頬白高校に伝わる三枚のチップをかけて、真兎は星越学園に挑む。

最初は一年男子との変則だるまさんがかぞえたゲーム。

瞬殺できると油断していた相手は、真兎の意外な戦法に完敗し、大量のチップを奪われてしまう。

こうして星越高校、生徒会代表の一年生絵空との因縁の対決が行われる。ゲームは、真兎の友人が考案したフォールームポーカー。互いの持ち札は三枚、取り札が絵柄別に別の四室の机に裏向きに置かれるところが、通常とは異なる。ほしい札がどこにあるか?いかにして手にするか?互いの知力をこらしての頭脳戦。果たして、その結果は?

真兎が、絵空の何に怒り、謝らせようとしていたのかが、明らかになったとき、中学時代の仲良し三人組はもとの鞘に戻ることになる。

面白かった。