「隠蔽捜査」シリーズの竜崎が大森署を去ったあとに、署長に就任したのは女性キャリアの藍本小百合。竜崎署長に続くキャリア署長だが、前に劣らずユニークな署長だった。まず第一に美貌。男女を問わず、立場を問わず、誰をも一目で黙らせてしまう、反抗や苦情を消してしまうほどの美貌だった。そのため、着任以来、警察の高官たちがひっきりなしに訪れてくる。その美貌を見るためだけに。

そんな大森署に捜査本部ならぬ前線本部がおかれることになる。本部の組織犯罪対策本部の部長が言い出しっぺ。

海外からの情報で、羽田沖の海上で、外国人同士による銃器と麻薬の密輸取引が行われると言う。その捜査の本部を大森署に置くという。売り手は中国人で、買い手は南米人。本部には組織犯罪対策部のほか、外事二課、警備部の特殊部隊や船を持つ東京湾臨海署が協力することになる。

誰もがパニック状態になるなかで、藍本署長はその美貌で、あたふたするものを落ち着かせ、竜崎並みの合理性か、あるいは単純化により、捜査をスムーズにさせていく。

取引日時を調べ、待ち伏せて、犯罪者どもを一網打尽。一人逃げ出した外国人が、小型の核爆弾を持っているとわかり、ラストでパニックになる本部だが、もしもの時は何をしても間に合わないから、単純に逃げた犯人を捕まえることに専念すればいいと、署長が指示して、無事に確保。

小百合署長は肝が据わっているのか、なにも考えてないのか、よくはわからないが、まあともかく事件は解決する。

少し漫画ちっくではあるが、なかなか面白かった。