山本さんらしくハートウォーミングな話。
東京の大学に行き、就職した静香。大手商社で、投資先の会社の資産管理の仕事をチームの一員として頑張ってきたが、三十才を過ぎてから身体に変調をおこし、しばらく休んだのをきっかけに、退職して、故郷に帰ってきた。
港町の商店街で母一人で切り盛りする練り物屋。元は父方の祖父が始めた商売で、勤めていた会社が倒産した父が跡を継いだ。会社員だった母親もなれない仕事を学んだ。静香が五歳で父が病死し、母が一人で頑張ってきた。数人のパートやバイトに助けられて。そんな仕事を手伝い始めた静香が思い付いたのが、屋台のおでん屋。市の補助を受けて始めた商売、そんな屋台にも何人かの常連ができ、彼らとのエピソードや人との繋がりが、新たな道に踏み出すことになる。
高校時代の元カレとの再会と新たな関係、常連の女性漫才師コンビの危機と新たな出発。そこにも静香のおでんが関わる。バイト女性の自立への道と、定年退職した父親との新たな関係など。
そんな彼らを結びつけたのはおでんだった。
なかなかよかった。