久しぶりの辻堂作品。

読みかけて、読むのが嫌になってきた。中断しようとしたものの、最後には明るいエンディングでよかった。

東大出身で商社勤務の父親から、何がなんでも東大に入れと言われ続けていた高校三年の高志。遊ぶ時間もなく、時間一杯勉強を強いられた高志。短大での母親は父に従い、監視している。そんな虐待に近い境遇を、親心だと我慢していた。

そんな彼の認識を変えたのは、クラスメイトの星さん。美少女ながら、ほとんど授業にも出ず、保健室登校か、一人文庫を読んでいる彼女は、クラスから浮いた存在だった。

そんな彼女がある日、高志に声をかけてきた。パニック障害ではないのかと。さらに、自分と同じ匂いがすると。彼女は母子家庭で、母親は家事もまともにせず、男を取り替えてくらし、パートも変わってばかり。小学生の頃から、彼女が家事をして居た。母が連れ込んだ男に殴られたりしながらも、これが私の人生だと諦めていた。それでも読書などから、これがネグレットという虐待の一種だと気づいていた。

はじめは虐待じゃないと言っていた高志も、彼女と話したりするようになって、親の態度が愛情ではないことに気づいていく。

そんな二人は将来に向けてある計画をたてる。私は、てっきり親殺しではないかと心配になったが。彼らは、親殺しは空想だけにとどめ、真面目な人生設計をしていた。

東大受験の途中でドロップアウトした高志、妊娠してトラックドライバーと再婚した母親を見捨てて、家を出た星。

十八才になるのを期に、二人は親から独立して、我が道に歩み出す。バイトでためた金を資金に奨学金で大学生になった星。父親の弟で一族の鼻つまみものながら、しあわせな家族を持つおじさんの助けで、父親に授業料を出させて、一年後に大学生となった高志。

二人の解放された魂に乾杯。