多少趣が変わった倒叙ミステリー。
懲戒免職処分になった、もと警視庁の敏腕刑事が作成した、完全犯罪完全指南と言われる闇のファイルがネット上で取引されていた。短い日数しか現れず、送られたファイルは複製できず、一定時間の後には消えてしまう。
そんな裏ファイルを手に入れて、完全犯罪を企む犯罪者たちを四季に合わせて、四人登場させて、まずは犯行までを描き、そのあとに警視庁刑事二人が現れて、犯罪をじわじわと明らかにしていく。あまりにもできすぎていたために、うっかり見逃したり、気にしなかった細部の取っ掛かりから、見事に犯罪を暴く。
春に起こった偽装首吊り自殺。地蔵背負いにより、自殺と変わらない索状痕を残せたものの、考えもしないところに影響があり、跡が残っていた。
夏に海で起きた偽装溺殺事件。海水を使って溺殺させたものの、クーラーボックスん使ったために、直前に食べた食物が肺にまで入り込んでしまって、他殺と見破られる。
秋に起きた刺殺事件。血だまりのなかで現れたロウで残された犯人の名前。血液を拭き取り、ロウを削っただけで消えたと誤解して、墓穴を掘った犯人。
冬の事件は、密室で起こった練炭自殺を偽装した犯罪。
一見密室に思えた裏口の扉を締め切りにする方法を見つけた探偵役の見事さ。
エピローグでは、キャリア警察官が闇のファイルの作成者であることが明かになり、そのファイルがあまりにも早く出たために、探偵にその正体が明かになる。
少し手の込んだ作品だが、正直あまり楽しめないかな。普通の倒叙ミステリーの方がいいな。