小路さんの新しい家族小説。

血はつながらないものの血縁関係にある人々からなる家族を描いた物語。

七十を越えた伽羅は、文筆家、詩人、画家として、今も現役のアーティスト。

彼女が暮らす洋館には何人かの居候がいる。五十代のジャズシンガーで、スナックのママ祐子。裏の家に生まれた彼女は幼い頃から洋館に入り浸り、今は家族もなく、居候に。

三十代になって、ようやく日の目か出たアーティストのタロウ。近所のもと鉄工所を書いとり、アトリエ、展示場にしている。

二十五才の会社員柊也。

彼と今は恋仲のまひろは三年前に、養母の結婚を期に、夫の実母である伽羅のところに来て、今は伽羅のマネージャーをしている。

柊也は北海道旭川に、シングルマザーの母親がいる。まひろの養母と伽羅の息子の夫婦は札幌にすんでいる。

特別変わった事件が起こる訳ではないものの、伽羅の乳ガン再発を期に、新たな展開が生まれてくる。

そんな人々を描いた話なんだが、いまいち盛り上がりにかけるというか、なんとか最後まで読んだものの、東京バンドワゴンシリーズに比べて、つまらない気もする。家族がテーマの話だからかな。

伽羅の章、というサブタイトルがあるということは、続編があるのかな?