主として長編作品が多い金庸、武侠小説だが、わずかに短い作品もあり、その三編を収めたのが、これ。

最初は半分近い分量の中編で、舞台は西域の砂漠地帯。

砂に埋もれた古の王国には宝がたっぷりあると噂され、そこに至る道筋が描かれた地図をめぐって騒動が巻き起こる。地図を持っていた漢族夫婦の侠客が襲われ、一人逃れた娘は、カザフ族の近くにすむ漢族の老人に救われ、育てられる。地図を追ってきたならず者はカザフ族の頭領の妻子を殺し、地図を見失い、野盗と化す。成長した娘はカザフの若者に恋するも、妻子を殺された父親の漢族憎しのために、叶わぬ恋となる。たまたま知り合った老人に武術をならい、成長した娘は追っ手を逃れて砂漠地帯に入り込み、地図にある洞窟を発見し、カザフ人と協力し、追っ手と戦うことになる。

見つかった王国の宝物とは何だったのか?


二作目はいかにも金庸作らしい作品。

名剣二振りをめぐって、清朝の武術家と侠客たちが争う話。これが一番楽しめた。


最後の短編は古代中国、戦国時代の話で、臥薪嘗胆の語源となった呉と越の戦いを背景に、越のハンレイを助けた美少女剣客を描いたものだが、いまいちよくわからなかった。