倒叙ミステリーの福家警部補シリーズ第五作。

今回は四つの殺人事件を扱う。

院長の娘と結婚して、地位を得た医師が、浮気相手に結婚を迫られ、殺してしまう。周到に準備して、事故死に見せかけたつもりだったが、小さな違和感を取っ掛かりに、推理を働かせる福家警部補にはかなわなかった。第一作。


ソーラーパネル製作を目指していたベンチャー企業の社長は、密かに妻をなきものにしようと、屋根の上のソーラーパネルの実験データーを計るために、取り付けた手すりに細工をしようとした。留守の時に計測する妻が事故死するようにと。ところがどっこい、夫の企みに気づいた妻が、先に細工をしていたために、夫は転落死。事故に見えたが、福家警部補の目は欺けなかった。第二作。


一人で酒場を切り回す女バーテンダーは、世話になった師匠の晩年の様子から、名誉を奪いそうな恐喝を受け、その男を殺すことに。すぐに眠り込む馴染み客を利用して、アリバイを作ったものの、福家警部補にはばれていた。第三作。


恋人が上司のパラハラやライバルの陰謀で、自殺に追い込まれた。彼らに復習すべく、数年かけて練り上げた殺人計画。一人目を殺し、新幹線で、京都にいる他の二人を殺しに行こうとしていた犯人は、同じく京都に向かう福家警部補と相席になってしまう。福家警部補は、最初から彼を犯人と思い、東京の同僚の助けで、データーを集め、犯人相手に推理を披露し、追い詰めていく。名古屋では芝居をうって、犯人に自供させてしまう。なんとも見事だが、少しできすぎかな、とも思われる。