倒叙ミステリー長篇。警視庁刑事花房京子シリーズの二作目。

宝石商で、宝石評論家としても有名だった壬生真理子が、店で銃撃されて見つかる。近くにある店も荒らされ、宝石が盗まれていた。葉山にある別荘にいた夫の陽介は、知り合いのイタリア人フェルナンドに、銃をもって襲われるも、揉み合いとなり、逆にフェルナンドが、自身の銃で死ぬ。

警察が現れたときの状況はそんなものだったが。

実は真相は違っていた。倒叙ものだから、最初に犯行の様子が描かれているので、読者には犯人が誰かはわかっている。偽の鑑定書の宝石を売られて、フェルナンドに恨みを抱いていた真理子は、夫と共に、ひそかにフェルナンドを殺す計画を立てていた。しかし、直前になって知った夫は、妻の軛から逃れようとして、妻を銃殺し、罪をフェルナンドに被せた上に、正当防衛を装って殺害した。

別荘の地元警察官には、正当防衛を疑われることはなかったものの、コロンボ刑事たる京子の目はくらまされなかった。最初の現場から、ちょっとした違和感を追求し、合理的な説明をつけようとした京子は、ついに一番疑いがなかった夫に目を向けるようになり、犯行の筋道が見えてくる。自供に追い込むには、決定的な証拠が足りない。京子が最後に繰り出したのは、犯人しかわからないことを、夫の口から引き出すことだった。そして、最後にはそれを引き出して、自供に追い込み、終わる。

今回もなかなか面白かった。また、京子の活躍を読んでみたいものだ。