東京バンドワゴンシリーズ、昨年出た作品。手に取ったときは、読んでないかと思ったが、調べてみると読了していた。それでもと読んでみると、やはり覚えがあるところもあったが、何度読んでもいい。
春夏秋冬、四つの季節の堀田家の回りで起きたエピソードが描かれる。
春では堀田家の裏で行われている解体作業。その現場監督をしていた方向音痴の女性が、仕事を終わったあとに行方不明となる。飼い犬が気づいて、地下室に落ちていた女性が見つかる顛末が語られる。堀田家の初代が密かに作った地下の秘密通路の一部が、隣家にまで延びていたことが原因だとわかる。
夏の話は長らくやめていた夜間営業を喫茶店の方で始めたことでもたらされた事件が描かれる。椅子の上に残された安物の文庫本と挟まれた千円札。五日続けて五冊の関係が見当たらない文庫本。誰がなんのために?
秋の話は、喫茶店に置き忘れられたクリアファイル。中身は童話の手書き。それを見たバイトの和が驚く。昔、祖母に聞かされた話だ。しかも祖母の創作だと思っていた話。謎が解けたとき、古い因縁が明かになり、さらには創作者までもがわかり、びっくり。
冬の話では、新たな出入りが起きる。
ロンドンに帰り、世話していたマードックの母親がなくなり、父親は知り合いの施設にはいるから、マードックと藍子に日本への帰国を勧める。
今は施設にはいっている堀田家で育ち、医師として働いたかずみの目がよくない。そんな彼女の世話をしたいと、もと女優で、青の実母の百合枝が申し出てくる。孫も大きくなり世話をする必要がないし、かずみとは通じ会うものを感じるから一緒にいたいと。
去るものあり来るものあり。