路線バスシリーズ第三作で、たぶん完結かな。

最初は退職したもと刑事炭野が、自宅で妻まふるが開く料理教室から追われて、路線バスに乗ったことだった。刑事として歩き回った地域をバスから眺めることで思い出にひたることができ、それにはまり、路線バスを乗り回すようになる。そんな小さな旅のさなかに、ちょっとした疑問や謎に出会い、妻に聞いてもらうと、鮮やかに解き明かしてしまう。妻は料理がうまいだけでなく、名探偵でもあった。

ある日、帰り道の居酒屋で一杯やっていたら、目の前のバス停のベンチに座る男の異常な行動に目が止まる。バスが来たら、乗らないで立ち去る。居酒屋の店主によると、何度も同じことをしているらしい。なぜ?

妻の推理を聞き、確かめるべく、その男、吉住に声をかけたら、はたして、妻の推理通りだった。名探偵の発見だ。

そうやって知り合った路線バス好きな仲間の輪が次第に広がり、彼らが持ち込む謎まで、まふるが解き明かしたことで、やがて彼らは炭野の自宅に集まり、まふるの手料理を楽しむまでになる。

最初のいっぺんは、もと不動産屋の吉住が、あとをついだ息子が出くわした奇妙な出来事の謎解きをまふるに持ち込む。


第二編では、失恋した友人の気分転換にと、三人の若者が津軽まで旅をする。そこで奇妙な男と出くわし、知り合いの炭野に相談したことで、まふるの鮮やかな謎解きで、麻薬売人を逮捕することになる。


同じマンションにすむ互いにやもめの男女の老人が、バスで出掛けていき、そこで出会った不思議なものの解明が、まふるに持ち込まれ、鮮やかに解決した上、日頃悩んでいた老女までも救うことになる。


第四編は、炭野のもと同僚で、彼に触発されて、バスを利用して史跡巡りをしていた郡司。後輩で、こちらも退職したサイバー犯罪を担当していた枝波土に出会い、行を共にしながらきいた、ある犯罪。その謎解きがまふるに持ち込まれるが、彼女は一瞬で解いてしまう。


バス好き仲間が一緒に、千住散策に出掛け、未亡人からなき夫の話を聞いていて、出てきた謎。それを解いたのは、なき夫の後輩だった。謎がとけ、夫の思いを再確認できた。


バス仲間とバス旅をして、昔の川巡りをしていた二人が、とある公園で出くわした謎。一夜にして向きを変えたジャングルジムの謎。まひろはまたも解き明かす。


定年後、妻の実家がある博多に移った、もと公安警察だった飛先。東京で知り合ったバス仲間の一人から、知り合いが博多見学にいくから、バス旅の下見を頼まれた。夫婦で下見をしていたら、同じ人物と何回も遭遇し、疑問を感じる。顔見知りだった炭野に相談し、まふるにより解決する。


枝波土が定年前に、未解決で終わったフィッシング詐欺事件。名探偵に持ち込まれた、この事件を説明する枝波土。その言葉に引っ掛かりを覚えたまふるは、炭野と郡司と共に、枝波土のアパートを訪れたが、逃げられた。後に自殺体として発見された。詐欺事件の犯人は実は、枝波土の、引きこもりの兄だった。そして、誤って兄を殺し、密かに始末していた。真相は遺書により明らかになるが、自殺の決意ができない枝波土は、まふるにわかるようなヒントを出していったらしい。

一時、炭野は、バス旅のコーディネーターをしていたバス仲間を、詐欺事件の犯人かと疑ったことがある。その真相が明らかになった。ということは、このシリーズも完結かな、そう思ったが、どうだろう?

まだ読みたい気もするが、ただ、馴染みのない都内のバス旅を、事細かに説明されても、いまいちよくわからない。それが、正直な気持ち。