死神警部が犯人を追い詰める倒叙ミステリーの第二作。

今回も四編収録。 


第一編は、人気の漫画家が億ションにある事務所内で、担当の編集者に殺されルというアクシデントがおこる。人気シリーズをいきなりやめると言い出した漫画家を止めるために手に取ったハサミで刺殺してしまう。

ミステリーの漫画シリーズを担当していて知識があり、事後処理を念入りに済ませて、隠蔽しようとしたものの、死神の目を騙すことができなかった。


第二編は今は落ちぶれた芸能プロモーターが、安アパートの事務所内で絞殺されて殺される。犯人は往年の歌手、還暦近くになり、リバイバルを目指して被害者に依頼したものの、手付金をだましとられてたとわかり、怒りのあまり殺してしまう。自分の足跡がついた契約書を、他人の契約書共々奪って消去したものの、かえってそれが命取りになる。


第三編はカリスマ文化人の秘書が帰り道の公園内で刺殺される。犯人はなんと上司であるカリスマ文化人。年下の夫が秘書と浮気していたことを知り、屈辱から犯行。夫を犯人にすべく、証拠品を残す。念入りに計画し、周到に行った犯罪だが、死神の眼力を欺くことはできなかった。じわじわと迫っていく死神。


第四編はタイトル作。美術予備校内で殺された事務員。泥棒が侵入したかに思える痕跡はあるが、そもそも予備校に盗むものなどあるのか?死神は最初の疑惑から内部犯人説で迫っていく。

過去の傷を脅されて、生徒に性暴力をふるい退職した教師だった事務員に、同性愛の相手を迫られた講師による犯行だった。静謐であることを望む講師は、死神の中にも同じにおいを感じていた。何事にも動揺しないでいることをモットーにしている死神。証拠はもうないと思っていた講師だが、実は学内には特殊な能力を持つものがいた。一瞬でも見た映像を記憶にとどめる能力。そのために、犯人しか知り得ない被害者の死に顔を、講師がスケッチしていたことが明かになり、講師を犯罪を自供する。