昔ながらの任侠を売りにする弱小やくざ、阿岐本組。組長の雄蔵、代貸しの日村と若いものが三人だけの組。組長はなぜか知人に頼まれては、堅気の商売の経営再建に乗り出してきた。出版社に始まり、学園、病院、浴場、映画館。今回はなんと都内のある楽団に乗り出していく。
師走の慣例の第九演奏会まで、半月というのに、楽団内に揉め事があるという。その仲裁に乗り出すコンサルティング社という触れ込みの組長と日村。
クラシック等きいたこともなく、楽器にもオーケストラにも無知の二人だったが。
常任指揮者がドイツ人のハーンに交代したばかりの楽団で、若手の実力者と長年いる楽団員との間に不和が生じているように見えた。
そしていきなり現れたハーンが控え室を出たところを襲われる。後頭部を殴られ、気を失ったものの、無事だったが。犯人逮捕を主張するハーンのために、事故で処理しようとした所轄の思惑は外れ、警視庁の刑事が一人だけ来て、調査を始める。ベテランらしく、日村たちの正体に気づきながらも、逆に捜査の手伝いを求められる。
対立の年配楽団員を怪しいと思った日村だが、刑事も組長も最初から賛成しない。人を見る目に優れた組長や刑事には、怪しいやつには見えなかったのだろう。
ハーン襲撃犯は誰なのか?なぜ襲ったのか?
一方、若手と年よりの対立と見えた騒ぎの真相は何か?誰が画策したものか?
日村には最後まで見えなかったが、組長や刑事には見えていたのだろう。最後に刑事の指摘で明らかになる真相。
結局、真相を知ったハーンが、告訴を取り下げたために、事件はなかったことになり、楽団の不和も無事に解決する。
しかし、今回も阿岐本組にはほとんど儲けはないのかな?