紅雲町珈琲屋こよみシリーズ最新作。今回は少し趣の変わった長編。

一度を売ってしまった帯留めを後悔していた草は、それが戻ってきたという連絡を受けて、買い戻しにいく。

京都への旅行の途中で立ち寄った東京の骨董店。

長年出入りしていた草は、その近所にいた、とある少年と知り合いになっていた。暴力団に近い生業をしていた父親を持つユージンは、青年となり、今はバーの店長をしていた。そのユージンの店で大量の血だまりがみつかり、彼も行方不明と知る。

前から、何かあったらと頼まれていた草は、彼が隠していた大金を探しだし、指定の場所へ届けにいく。

それがどうやら厄介事の引き金になったらしい。

東京駅で新幹線に載った草に近づいてきた母親と息子らしき少年。その母親が、何者かに連れ出され、後に腹を刺される。草は残された少年と新幹線にのり、米原で途中下車。滋賀の知り合いに助けを求めて、隠れることに。

どうやらユージンは、家族三人で、身元を偽り、国外に逃げるつもりだったようで、その手助けをするものが何人かいるものの、みなバラバラで知らないもの同士で、草は誰に連絡すればいいかわからず、途方にくれる。

紅雲町では草からの連絡か途絶え心配する。ニュースで草らしき老女による少年連れ去り事件が報じられ、独自に調べ始める。草の店の従業員久美の同棲相手の公介は、山男で、バイトで知り合った、もと警察官の探偵、辺見を知っていた。

久美が滋賀県で草が潜伏しそうな場所に気づき、ようやく連絡がとれる。

翌朝には警察が、草が店にいるかどうか調べに来るとわかり、急いで帰ろうと、双方から車を出し、落ち合うことに。

紅雲町に戻った草の前に、なんと死んだと思われていたユージンが現れ、無事に国外へ逃れられることになり、草は一安心。

しかし、なんかいまいち楽しめなかったな。