これまたはじめての作家さん。この作品で、鮎川哲也賞優秀賞を得て、デビューした。

高校サッカー部を楽しんでいた航大は、あるトラブルによりサッカー部をやめることになり、両親とも疎遠になってしまい、鬱々としていた。そんなときに思い出したのは、中学三年の時、サイクリングで偶然であった老婆。転倒して怪我をしたのを介抱してくれた優しいおばあさん。無性に会いたくなり、その家を探すことにした。沈丁花の香りがする美しい庭しか覚えてない。そして出会った美しい庭がある屋敷とそこにすむおばあさん。花の手入れをする孫の大学生拓海。その拓海の知恵と親切心により、航大は無事に探していた屋敷とおばあさんを見つけることができた。

以後、拓海の話好きな祖母に気に入られ、訪れては話の聞き役になる。

そして、航大の身近に起きた植物に関係する謎解きを拓海にお願いすることになる。

拓海も母親とは疎遠の関係で、離婚することになった母が、最後に会いたいと言ってきたが、拓海は迷う。しかし、航大はいつものお返しにと、仲介役を勤め、母親への拓海の手紙を届け、母親と話をする。それにより、双方とも気持ちよく別れることができた。