空也の武者修行を描いた空也十番勝負シリーズ第10作。完結編。

京のふくろもの問屋の隠居又兵衛と知り合い、旅に同行することになった、空也。大和の国室生寺の修理費用五百両を京都から運ぶ又兵衛は、用心棒代わりにと、空也を誘ったらしい。

剣術好きな又兵衛は、途中、空也を柳生の里にある道場に案内する。徳川家剣術指南の柳生家も今や一大名となり、剣術は昔に比べ落ちていた。それに気づいた空也は、やかて又兵衛と室生寺にいき、その奥山を最後の修行地にする。

その後、最後の修行地と決めていた大台ヶ原に向かう。紀州と伊勢の国境にあるそこは、標高こそそれほどないが、雨が多い秘境だった。おりしも雪におおわれた大台ヶ原にて、空也は最後の十番勝負を、宿敵佐伯彦次郎とたちあい、怪我をしたものの、勝ちを得る。

霧子や眉月たちが待つ姥捨ての里にたどり着いたのは、一ヶ月もたった頃。

修行を終わりにしたものの、今後に迷う空也は、ともかく江戸に向かう船に乗る。眉月を伴侶としたものの、今後がどうなるか、気にはなるが、シリーズはひとまず終わる。

空也の今後は、磐根の晩年を描く新たなシリーズと共に描きたいと、著者は構想するも、はたしていつになるのか?