著者の北海道警察シリーズの第七作。

サッポロ・シティ・ジャズで賑わい始めた初夏の札幌。市内で起きた宝石商盗難事件をおっていた機動捜査隊の津久井は、当番明けの夜に、馴染みのジャズバー、ブラックバードで、ピアニストの安西と出会う。長らくジャズを離れていた彼女は、人気アルトサックス奏者四方田に声をかけられ、シティジャズへの出演が決まっていた。ジャズが縁で急接近した二人だが、彼女が覚醒剤で逮捕歴があることがわかり、別れる。

折しも、中島公園近くの池で、女性の死体が見つかり、争っていた女性が目撃されていた。しかも、被害者が四方田と関係があった女性で妊娠していたことがわかる。女性関係が派手で、何人もの女性と関係していた四方田。被害者が覚醒剤で逮捕歴があることがわかり、近くのホテルにいた安西も容疑者に。津久井がひそかに、アリバイを尋ねると、彼女は明らかにしない。シティジャズへの出演前に事情聴取を受けたら、出演が危ぶまれる。自分の担当の事件もあり、彼女を助けられないと悩んだ津久井は、仲がよい佐伯に頼んで、真犯人の逮捕を依頼する。どうやら四方田をめぐる女たちの争いが根底にあるようだと、佐伯に示唆する。

無事に、真犯人が捕まり、安西の疑いは晴れるかどうか?

このシリーズは、はじめて読んだが、なかなか面白そうだ。

第一作では、道警本部の婦人警官がマンションで死体で見つかり、交際していた津久井が容疑者にされ、しかも射殺命令まで出ていた。翌日に、道警の不祥事の証人として出る予定だったから、上層部からの口封じにあったらしい。四面楚歌の彼の疑いを晴らすために立ち上がったのは、佐伯警部補で、信頼できる仲間を集めて、ひそかに真相究明にあたり、見事に津久井を救い出すという。それは、読んでみたくなるね。

その第一作を思い出させるような展開が、今作にもあるらしい。