ベストセラーになった「書店ガール」の著者、碧野圭さんは、弓道二段でもあるという。その経験から生まれた作品なのかな。

主人公は高校入学前の矢口楓。春休みに名古屋から東京の西部へ引っ越してきたため、暇をもて余していた。

近所にある神社にフラりと入り込んだ楓は、耳慣れない音を聴く。なんだろうと、本殿のわきを覗いてみると、そこにあったのは弓道場だった。異音は矢が弓から離れるときの音だった。興味を覚えて、弓道場のわきの柵から見物する。

そんな彼女に話しかけてきた少年。大人に混じって矢を射る姿に少しときめいた。彼に弓道会に入らないかと誘われたものの、高校に入ったらテニスをやるつもりだったため、断る。

高校生活が始まり、テニス部に入ったものの、入部数が多いためか、基礎の体力作りばかりやらされ、なんとなく先輩が冷たく思えた楓は、一緒に入った友達と一緒にやめてしまう。

他の運動をする気にもなれず、退屈をもて余していた楓は弓道会に入ることにする。

単なるスポーツではなく、武道の一種である弓道は、最初は決まり事や精神的な教えなど、よくわからず、戸惑いながらも、色々な世代の仲間や先輩と、初心者クラスで学んでいくことで、いつしか彼女は日本古来の弓道の奥が深い魅力にひかれていく。

憧れていた先輩の家族に関わる秘密をラストでは知り、さらには、同期の仲間と共に、一段への昇段審査に受かるまでの一年を描いた作品。

女子高生のスポーツエンタテインメント。