シリーズ第一作、二十三時の夜食カフェ。

元エリートサラリーマンだったのに、ガンになり、一念発起、いわゆるおねえ、ドラァグクイーンとなり、ダンスファッション専門店、シャールを開く。おねえ向けのド派手なドレスを扱う。そのスタッフの賄い飯が、評判となり、深夜にだけ開店する夜食カフェ、マカンマランを開いている。

薬膳料理のような体調に会わせて作られた料理は、気持ちを暖かくする。

そんな店には、人生に、仕事に疲れた人々が訪れ、常連となっていく。

アラフォーの広告代理店の女性社員。

仮設住宅に住む友人のことを考えて、母親の料理を食べられなくなった中学生男子。

マスコミ系の専門学校を出たものの、就職できず、フリーランスの物書きをする若い女性。

シャールのスタッフで、宅配便のバイトをしているジャダ。

シャールのある裏通り一帯に、不動産屋から買い取りの話が出てくる。折しもシャールは、ガンが転移して入院することになり、店を手放すことを考えるも、店の常連の老婆のお陰で、店は存続する。近くのアパートで独り暮らしをする彼女には、シャールで過ごすひとときが何よりも癒しになっていた。彼女こそ、実は付近一体の土地の地主だった。普段相手してくれない親戚より、シャールの方が彼女には大切だった。

毎年正月にシャールが、作ってくれる特別料理。入院中のシャールにかわり、今回はジャダが中心となり、馴染みさんの助けを得て、作ることになる。

正月に退院したらシャールに食べさせてやりたいと、張り切るジャダ。