タイトルは、マネー・ロンダリングならぬ、ブラッド、血統のロンダリングを意味する。
主人公は刑事として、警視庁捜査一課殺人犯捜査二係四班柿内班の新人、真弓倫太郎。祖父も父も警察官で、父は柿内と同期で、幼い頃から親しかった。
そんななるべくしてなったはずの倫太郎だが、なぜか辞表を懐に持っている。
柿内はノンキャリアでは将来が期待されていたが、十年前長女が半ぐれと結婚し妊娠。娘との園を切れなかった柿内は出世を諦め、警部補で班長の身に甘んじてる。
そんな柿内班には、問題の刑事が集まる。紅一点の汐里は三十路で、一見女を捨てている。かつて婚約者だった同僚を目の前で殺され、犯人は海外逃亡。敵討ちを未だに捨てきれない。
事件はビルから頭から落ちて、下の車にぶつかって即死というものだった。頭部は破損して飛び散り悲惨な現場。一見自殺かと思われたが、疑問を抱いたのは倫太郎と汐里。死んだのはフリーのジャーナリスト、下地。政治家のスキャンダルを暴いたりしたことがある。
調べていくと、下地は最近、大物女優を取材していた模様。ガードが固く、捜査は進まない。同じ事務所のアイドルと不倫して、事務所を追い出された男、成川が、その後、自宅で首吊り自殺の体で見つかる。
殺人と言える決め手がみつからず、苦戦する。女優がかつて密かに出産したらしい。相手は企業の社長らしい。がなぜか、自分の子ではないと言って身を引いた。
下地のメモに残された奈良県十津川村の、今はない集落。鍵はそれかと、現地に飛ぶ汐里と倫太郎。
昔、放火により集落がなくなった。犯人はなくなったものの、その子供たちが奇跡的に助け出された。
その子供たちは茨の人生を歩むことになり、娘は自殺し、息子は名を変えて生き延びた。それを察知したのが、下地らしい。
名を変え、姿を変えても、血は変えられない。そんな悲劇をバックにしたミステリーらしい。
倫太郎も実は東京タワーに遺棄されたこだった。幸い警察官に引き取られ、幸せな人生を送ったものの、刑事になってから、実の母親の子とを調べて、悲惨な生い立ちを知る。両親は事業がうまくいかす、泥棒に入り、老夫婦を殺してしまった。殺人犯の息子だった。息子を自殺に巻き込まず、捨てた母親。血統を隠し、新たな人生を歩ませようとした母親。
殺人犯の子が、刑事をしていていいのか?辞表を懐にして、捜査をする倫太郎。
倫太郎の生い立ちを聞いた犯人は、女優にそれを知らせたらしい。行方不明の女優も、我が子を東京タワーに捨てるかもしれないと、倫太郎は張り込み、ついに見つける。
秘密の過去はそのままでいい、刑事はただ捜査をしていくのみ。
なかなかシリアスな背景で、あまり楽しくはなかったが、悪くないミステリー。