地下アイドルの一人の女性が殺され、ストーカーをしていた男が捕まる。だが、男は罪を認めず、三年。
そんなある日、佑美の勤める喫茶店に、星谷と名乗る男が現れ、事件を再検証したいと言い出す。
現在と三年前と、代わる代わる描かれる。
殺されたアイドルひとみを推しにしていた職業も年齢も違う数人の男たち。星谷は当時フリーター。たまたま初回のライブを見たことから、推し仲間では一目おかれていた。
ストーカーにあっていたひとみは、住まいを次々と変えていた。最新の住所を犯人に伝えたかもしれないとされた、当時市役所勤務していた佑美。今は退職し、知り合いの喫茶店に勤めていた。
星谷に呼ばれて、次々と当時の関係者が店を訪れる。担当刑事、推し仲間、アイドル仲間。
彼らを前にして、星谷は単身でじっくり事件を振り返り、調べていったことを明かしていく。
事件の九年前、東日本大震災の当日、東京の片隅で起こった玉突き交通事故。
飛び出してきた女子高生の自転車で、急停止した佑美。後続の車の女性は大した怪我は負わなかった様子。さらに後ろの大型車を運転していた野上。野上は今殺人犯として勾留中。
関係者が二人も絡む事故。2台目の女性のその後を調べた星谷は、妊娠中の彼女がその後流産し、さらに半年後自殺したことを知る。しかも、彼女の夫は、推し仲間だった。もしかして、妻の死の恨みから殺人を犯し、関係者を巻き込んだのではないか?
当時はストーカーだった星谷の鮮やかな推理。
見事真犯人を見つけ出したものの、犯人は敵を打てたことに満足をして、反省の気を見せない。
最大の原因を作った女子高生がひとみだと思って、殺した犯人。
星谷はそれをくつがえす。ひとみではなかったんだと。その証拠もあると。でもそれをあらためて連行される犯人には教えてやらないと。
最初は取っつきにくくて、中断しかけたが、なんとか最後まで読めた。なかなかよかった。