以前図書館で借りて読み始めたものの、中断して、返却してしまったが、今回は一気に最後まで読めた。よかった。

渋谷署に勤める刑事日樹はアパートの階段での転落死の現場に向かう。まだ若い女性の死は事故らしい。

渋谷署ではそのころ、いわゆるやくざに内通している警察官がいると言われていて、あるチンピラを職務質問するものの、証拠はなく解き放つ。その夜、帰宅中の日樹は何者かにいきなり背中を刺され殺されてしまう。そんな日樹を見下ろす日樹。彼は幽霊になっていた。

そして、朝転落死した女性亜里沙の幽霊に話しかけられる。そして、幽霊のことを教えられる。この世に未練がある間は成仏できないのだと。現世の人間には言葉でも力でもコミュニケーションができないのだと。

同居していた交通課の警察官である妹聖奈が気になる彼は、その近くを見守るようになる。

二人は血の繋がらない兄妹、互いに気づかないまま思い合っていた。

兄の無念を張らしたい、犯人を捕まえたいと思った聖奈は、捜査本部に出掛け協力を申し出るも拒否される。ならばと、彼女は警察が世間に秘密にしているスキャンダルを種に直談判して、特例扱いで、一気に刑事となり、しかも、兄の後がまとして、渋谷署に異動となる。

兄の相棒だった新米刑事とコンビとなり、新人ながら殺人は事件に駆り出される聖奈。そんな彼女を見守りながらも、幽霊の特権を利用して、捜査をして、真犯人を見いだすも、妹に伝えるすべがない。思い付いたのは映像。妹の夢枕に、関連する映像を流し、夢を見させると言うものだった。

こうして、新人刑事は、他の刑事の思いもつかない切り口から事件を見事に解決していく。

兄が親しくしていた一見やくざみたいな刑事の丸藤に助けられながら、兄を殺した犯人を追う聖奈。

内通者は実は兄ではなかったかという見込みが出てきて、あせる聖奈。

さらには、交通事故で両親がなくなり、旦那寺の実家に引き取られていたと聞いていた聖奈だが、実は寺に捨て子されていて、実の母親が今は成功して、彼女を引き取りたいと言っていると聞く。

一度はあってみろと、養父に言われ、会う聖奈。政治家や大企業の社長から信頼される有名な占い師になった実母。しかし、その成功の影で犠牲になったものがいるからと、彼女は実母を拒否する。

最後には兄と彼女の相棒だった新人刑事が、兄の殺害者だと判明し、聖奈も襲われるも、幽霊のようなものに救われる。

実父にあたる幽霊だった。

事件が解決したのを見届けた日樹は、鏡に写ることで、一瞬だけ聖奈に姿を現す。そして、成仏する。