所々拾い読みしただけたから、読了ではないが。

著者はイギリス、スコットランドの古本屋さん、ショーン・バイセルか。ウィグタウンという、寂れかけた田舎の町に生まれ、大学進学で故郷を離れる。30歳の時に故郷に帰省中、偶然立ち寄った老舗の古書店。面白い仕事がないと聞いた店主が、そろそろ引退したいから、店を引き継がないかと持ち出され、衝動的に店を買い取ってしまう。

もちろん蓄えがあるわけもなく、銀行でローンを組んでの買い物。

以来20年、彼の店は10万冊の在庫を抱えるスコットランドの最大の古書店になる。

1990年代、スコットランドの政府は地方都市再生のために、ブックタウン構想を計画。名乗り出た六つの町から最終的にはウィグタウンが選ばれて、ナショナルブックタウンとして再スタートを切る。同じ頃、小規模ながらブックフェスティバルも始まり、それが今や拡大して、世界中から本好きの観光客を呼ぶほどに盛況になっている。

ただスコットランドの冬は厳しい寒さで、客足は途絶える。さらに、近年のネット通販の伸び、さらには古い建物の維持費。個人商店の経営は厳しい。毎日がサバイバルゲーム。

そんな状況のなかで、ショーンの店で繰り広げられる店主と客の掛け合いが面白いという従業員や常連客の勧めによってできたのが本作。

2014年2月から一年間の日記を出版すると、評判となり、やがて世界的なベストセラーになる。その後、続編が出るまでになっている。連続テレビドラマになるともいう。

月ごとにまとめられ、章になっているが、その巻頭に引用されているジョージ・オーウェルの「本屋の思い出」から引用された文章がけっこう面白い。

オーウェルもかつて、古書店で働いたことがあり、その経験を本にしているらしい。

ショーンは店売りだけでなく、アマゾンでのネット販売も何割か利用していたが、今では自身でネット販売をしているらしい。

日記だから、筋立てがあるわけでもないのに、読んでみると、けっこう、面白い。会話の掛け合いやら、店主と客の駆け引き、変わり者の従業員の生態など、最初から順に読むよりは、拾い読みがけっこういいなと思えた。