法医昆虫学者赤堀が活躍するシリーズで有名な川瀬さんの新たなヒーロー誕生か?

仕立て屋探偵、桐ケ谷京介の登場。東京の高円寺商店街にある、もと仕立て屋だった店に移り住んできた桐ケ谷。若い仕立て屋が来て商店街を活性化させてくれると期待されたが、二年たっても店には商品が並ばす、今では役立たずの若者が空き家に住み着いたとしか思われていない。そんな店に出入りするのは、野良猫と理髪店の主、磯山だけ。桐ケ谷は、洋服の型紙を引く有名な職人で、有名デザイナーから指名を受けるほどの腕?芸術家崩れで、美術解剖学を専攻していたため、着ている服の状況から、肉体の骨や筋肉の様子まで見抜く能力を持っていた。それにより、磯山の妻の病をいち早く見抜き、早期発見に寄与したことから、磯山はなにかときにかけてくれる。

そんな桐ケ谷がテレビで見た十年前の未解決事件。取り壊し寸前の無人のアパートの一室で見つかった少女の死体。警察の捜査も空しく、身元も凶器も特定できず、容疑者も浮かばぬまま、十年。

桐ケ谷は、被害女性が着ていた服を見て、気になる。なんか奇妙な図柄。色使いも派手で、これだけ目を引く服なら、目撃者が一人もいないと言うのはおかしいと思う。彼女が身元もわからないまま葬られたと思うと、涙が出てきてしまう桐ケ谷。なんか少女が気になって、頭から離れない。自分が持つ知識で何か、彼女の身元にたどり着く証拠を見つけられないだろうか?

こうして始まった探索、はじめは五里霧中だったが、一つ一つ違和感のもとをたどっていくことで、ついには、少女の身元ばかりか、死因、さらには、彼女を無縁仏にした、意外な犯人にさえ、たどり着いてしまう。

なかなか面白かった。シリーズ化されるかどうかはわからないが、出たらまた読みたいな。