土日の連休ももう終わるというのに、読めたのは、これ一冊のみという体たらくだが。まあ、あまり気にしないでおこう。読書は義務じゃないんで、楽しみなんだから、読みたいときに読めればいい。
綴喜文彰は高校三年生。小学生で作家デビューして、中学時代に、いとこをモデルにした作品がベストセラーになり、一躍時の人になった天才作家。
しかし、以降ヒット作はおろか、作品が何も書けない状態が続いていた。
そんな彼にあるプロジェクトへの参加の話が舞い込む。
彼のような各分野の天才を集めてのプロジェクトというだけで、詳しいことはわからないが、参加を決意。
政府が後押しをするプロジェクトで、場所は秘密で、目隠しされたヘリコプターで運ばれる。個人のスマホは持ち込めない。標高の高い地点で下ろされ、近くにある建物に案内される。
責任者である雲雀博士とマネジメントの担当の女性備藤、他に数人のスタッフがいる。
綴喜を待ち受けていたのは、彼同様天才として注目を浴びたことがある各界の天才たち。料理人の真取、バイオリニストの秋笠奏子、日本画専攻の美大生秒島、将棋棋士の御堂将道。
もう天才とも言えない自分と比べ、最初は場違い感を抱いていた綴喜だが、やがてそうでないことを知る。彼らもまた、同様に今は落ち込んだ状態だった。
プロジェクトの目的は、AIにより蓄えられた芸術などの分析から得られた方法を学んで、天才たちを再び再生させることを目的にしていた。
ヒット作を生むのに必要な小説の内容、技法を学んで、AIの代筆をする格好になる。果たしてそれが、自分の作品だと言えるのか?そんな疑問を抱きながらも、11日間のセッションを通じて、次第に変わっていく面々。自分の気持ちとの違和感に悩んだり、過去のトラウマが現れたり、最後には意外な展開かあったりして、なかなか楽しめた。
人工知能は人間を越えるのか?芸術家になれるのか?小説で賞を取れるのか?
案外ありそうでありながら、心のそこではあってほしくないと思ってしまう、このテーマ。