読書嫌いなくせに、楽だろうと図書委員に立候補した高校二年の荒坂。読書したことがないことが裏目に出て、赴任間もない司書の先生から、廃刊して久しい図書新聞の再刊役に抜擢されてしまう。読書嫌いを図書室に無縁の生徒を、引き戻すにはどうしたらいいか考えてほしいと。同級生で本好きな女生徒藤生蛍が、相棒に指名される。
図書新聞の記事は、新蔵書の紹介と、読書感想文が、主な記事。
本好きだが、人付き合いが苦手な蛍の代わりにと、荒坂が読書感想文を依頼したのは、同級生の八重樫、かつていた美術部の先輩緑川、それと生物学の教師樋﨑。還暦近いのに若々しくて、女生徒に人気な樋﨑先生だが、やたらに標本にすることで、薄気味悪く思っていた荒坂。
依頼した三人から提示された条件をクリアするために、探偵めいたことに首を突っ込むことになる。
その過程で明らかになる過去の隠された自殺未遂事件。それに関わったことで今も後悔の念が消えない樋﨑先生。
クラスでいじめに近い扱いを受けていた蛍。留学生との淡い恋に悩む八重樫。
読書嫌いだった荒坂だが、三つの条件をクリアしていくことによって、読書も案外面白いことに気づいていく。
なかなか面白かった。