一度読みかけて挫折したものの、今回ようやく読了。加納さんらしいハートウォーミングな話だった。
アラサーながら無職でニートだった主人公は、ある日両親に捨てられた。
母親の兄である伯父がなくなり、とある島にある館を遺産相続した。その手続きと見学に島へ出かけた留守に、両親は音信をたってしまう。
伯父が会社の保養所として建てた館は、大きいものの設備が揃ったホテルと言うより、アパートのようなもの。僻地の島では買い手もなく、金に変えることもできない。
一瞬絶望しながらも、帰る家もなく、暮らし始めた。島の住民は二十人足らずの年よりばかり。雑貨屋が一軒だけ。
近くにある親島とは、干潮時には道が現れるものの、嵐でも来れば孤島になってしまう。
親に渡された手切れ金が減ると共に、将来を考え始める。観光客を呼べるわけではないが、自分と同じニートなら、案外同居できるかもしれない。
ニートしてるときにはまっていたネットゲームを通じて、同居人が増え、島の老人ともうまく付き合えるようになり、主人公は次第に成長していく。
そんなニートの青年の再生物語。
最後には、すべては捨てたと思っていた両親が仕組んだものであることが明らかになる。
同じような境遇を経験していた伯父が、両親に協力していたことが明らかになる。
同居する若者たちの再生、成長も描かれる。