まともな青春時代を経験しないまま大人になってしまったアラサー男子の成長を描いた物語。
東京から二時間ほどの地方都市でデザイナーをしている芳野荘介28歳。学生時代は青春と呼べるような経験もしないまま成人し、故郷で就職したものの、いまだに自分に自信が持てず、パットしない。
山と田んぼしかないが、とれる農作物は美味しい。そんな過疎に近い町を活性化しようと、町はあるプロジェクトを企画する。町で唯一の大企業と協力して、農業を中心にしたテーマバークをつくろうと。そして、有名なデザイナーの広告会社にプロジェクトの企画が依頼される。町の代表枠として、デザイナーチームの一員として参加させられた芳野。デザイナーとしても半端なできない男。
一方、有名デザイナーの片腕として辣腕を振るってきたアートディレクターの賀川尚之。多忙なデザイナーの代わりに、プロジェクトの担当となる。三十路になるものの、好きだった女性に二股をかけられていて、捨てられた過去を引きずり、いまだに恋愛にも結婚にも踏み出せない、覚悟ができない男。
この二人のダメ男たちが、プロジェクトを一緒に体験し、さらに仕事を一緒にしながら、成長し、新たな方向を見つけ、踏み出すまでを描いた物語。
三十路になって体験し直す青春物語、そんな感じの話で、なかなか面白かった。