朝から雨の、といっても9時過ぎまで寝坊したので、何時から降り始めたのかはわからないが、土曜休み。
ようやく1冊読み終えた。意外と、といってもタイトルを見た瞬間いいなと思って、何度も借り直して読んだから、逆に期待通りとも言えるが、なかなかよかった。
人の記憶を売買できるという設定は、近未来とも言えるが、その前提さえ、認めれば普通の小説と思える。
大学で知り合った若者二人、良平と健太。将来の夢もなく、在学中に世界旅行へ出掛け、父の死に目にも帰郷せず勘当された良平。マンガ家志望で、一度佳作をとった作品があるものの、夢にいきる健太。
卒業後、二人は裏の仕事を持つことになる。人の持つ記憶を売買する怪しげな仕事。水晶玉に手をおき、記憶を甦らせると、それが水晶内に引き込まれて、売ることができる。その記憶は他の人に売ることもできる。香水のような瓶詰めの記憶として。それを浴びると、当の記憶が映像のように脳内に再生される。
大学時代に二人を尾行して、仲間に引き込んだ先輩のジュンさん。金持ちの客を口コミで多く抱え、売り上げも相当なもの。売り上げの3割が手元にはいる。
採用されたときに、言明されたのが目標の手取額が1千万円。3年以内に達成できなければ、すべての記憶を奪われ、捨てられる。
銀行員となった良平は顧客情報を流用して、客を見つけるようになって、売り上げが上がり、目標額に迫る状態だった二人。
彼らの前に現れたのが、路上ライブで人気の謎の歌姫、星名。その歌を聞いて涙を流す良平。
謎の多い星名を、彼らの勤める店の記憶の断片から、調べる探偵になろうと言い出す健太。星名は出身地も不明の謎の女性。ネットで動画がアップされて有名になった。しかも、全国各地で毎日のように現れ、神出鬼没も謎になっている。さらに歌を届けたいという相手、ナイトとは誰かという謎。
店の記憶を漁って、いくつかわかる。
大学時代にオーディション番組で決勝にまで進みながら、財閥の子女だった女性に負けた。その後怪しげなプロダクションからの誘いを受けた彼女を受けないように説得しようとした男。その名前は有名だった。3年前に高知の田舎町で開業していた、評判のいい医者一家が火事で全員死亡した。高校を中退して、東京へいったやくざな息子だけが生き残り、莫大な遺産を相続した。みぞろけつよし。しかも、つよしは星名の同郷の同級生だった。彼がパトロンなのか?
星名と知り合った健太は恋してる。彼女と何度か会うと、3人宛に届いた警告状。それにも屈せず、星名を調べ続けていった二人がたどり着いた真実とは何だったのか?
少年少女時代の思い出、約束を追い求めた少女。人生に絶望して自殺を決めた男が、自身の記憶を託した友人。真実に気づいた女性が選んだ道は?
タイトル通り、まさに哀歌だな。心に染みる。