滋賀県犬上郡多賀町の山間部にある限界集落梟。なぜか周囲とは付き合わず孤立していた集落。今は年よりばかりで、唯一の例外が、高校生になったばかりの女子、史奈だった。村の長であるツキである祖母と暮らす彼女。ある夜、祖母の命で裏山にある鍾乳洞、風穴に一人向かう。昔から子盗りが現れたら、子供は風穴に隠れるように教え込まれていた。
夜が明けて、集落に戻った史奈は呆然とする。集落は焼け落ち、一軒の家の下から足が覗く以外、住人の姿がない。
そこに現れた、幼馴染みだという若い男女。怪しみながらも、天涯孤独になった彼女は二人と共に、両親がいるという東京に向かう。都内のホテルに宿泊した史奈は、同行する二人の素性を怪しみ、6階の部屋から窓を出て逃走する。
中学時代の友人が都内にいるので電話してみるが出ない。仕方なく、昔からの言い伝えに従い、多賀神社に向かい、合図の石を鳥居の下に並べる。これにより、神社の関係者から援助を受けられると聞いていた。
通りかかった盲目の女性に世話になることになった史奈は、彼女と息子が援助者だとわかる。事情を話し、警察には行きたくないという史奈を、息子はだったら会わせたいものがいるという。会ってみたのは、本物の幼馴染みの兄妹だった。諒一と容子。諒一により捕まえた追手の一人から、史奈らを狙うものが、郷原感染症研究所だと知った。だが、その正体がわからない諒一は医学者である史奈の父ならわかるかもしれないと、史奈をつれていく。
梟一族の特異さは、まず眠らないで生きられることだった。そして人一倍の運動能力。その力のお陰で、古くから政治の陰で暗躍してきた。近くの甲賀忍者にも人を供給していて、忍者の末裔だと言われることもある。
史奈の父はその不眠という能力に興味を抱き、睡眠の研究をしていた。
集落から拉致された、祖母を含む住民たちや、行方不明となった母親も、梟一族の能力の研究のモルモットにされていると思った史奈たちは、強奪作戦を決行するも、失敗する。住民たちは逃げる気がなかったため。そして、史奈の母は、病身だった。
古くから集落を長く空けた住民の中に、シラカミと呼ばれる奇病があった。頭髪が一瞬に白髪となり、筋肉が麻痺して動けなくなり、やがて死ぬ。史奈の母もそれにかかっていた。そんな娘を見て、祖母も研究材料になることを承知したらしい。集落の住民たちを連れてくることを郷原が依頼したのが警備会社の社長西垣だった。郷原も西垣も集落出身者のものだった。
そんな二人は、シラカミにならない秘密が集落にあると考え、史奈と母親、祖母をつれて集落に向かう。秘密は風穴にあるとにらんだ二人は、史奈を案内人として風穴に入り込む。
そこで、西垣は本性を現す。史奈の母との縁談を断られ、恨みを抱いていた彼は、秘密の探索よりも一族の抹殺を考えていた。
危機を脱して風穴を逃れた史奈と西垣の対決は、祖母の犠牲により、仲間の応援を得た史奈の勝利に終わる。シラカミの特効薬が一族が毎年行う、鎮守の森にある祠での祈りに際して、配られる井戸の水だとわかる。それを分析し、特効薬を作ることで一族を守ることになる。それまでは、毎年一族が集落に集まり、井戸の水を飲むことに、新たなツキとなった史奈は決める。