中学生の宏伸は、親友だった洋輔が転校してから、元気がなく、冴えない。クラブ活動の写真でもノルマの写真がとれず、部長から叱られてばかり。
近所に住む母方の祖父は自身で修理するリサイクルショップを開いていて、そこでほしいものをねだるのが楽しみだった。
ある日、祖父が留守で、21才の従姉が留守番してるときに、見知らぬものを見つけて興味を抱く。ロゴを調べてみると、どうやらカメラの一種らしいが、市販のフィルムを買ったものの、入れ方がわからない。従姉の車で、町の写真館へ行き、教えてもらう。カメラ本体が360度回転するパノラマ写真を撮る装置とわかる。イケメンの若い主人宮本さんに一目惚れした従姉。フィルムを分けてもらい、試し撮りをしてみた二人。海辺へ向かう途中にあるひまわり畑。宮本さんの協力で、手間がかかる現像をしてもらう。一面のひまわり畑の風景のパノラマ写真は、感動的な作品だった。
しかし、そのつぎに写す景色を決められずにいた。祖父が帰り、そのカメラが中古品ではなく、写真家の手作りカメラを預かってるだけと聞いて驚く。勝手に使ったお詫びと共に、パノラマ写真やカメラのことを教えてもらいに行くことになる。同行するのは従姉と、同級生の女生徒、写真部部長の三好。
世界各地でパノラマ写真を撮ってきた松本さんの作品や改良した写真機を見て驚く宏伸たち。松本さんはこの写真の長さで、ギネス記録を持っているとか。改良したカメラで記録更新を望んでいたが、70過ぎの老人で腰を痛め、諦めていた。
そこで思い付く。僕たちが協力して記録更新の撮影会をしよう。文化祭のクラスの出し物で悩んでいたが、このパノラマ写真で、全校生徒を撮影したらいいのではないか。長い写真の現像には丸1日近い時間がかかり、面倒だが、協力すればできる。
どちらかと言えば引っ込み思案だった宏伸は、クラスの同意、学年の同意、全校生の同意と教師の同意を得ていく。このイベントの実行委員会の委員長に祭り上げられて、全校を巻き込んでの撮影会に邁進することになる。
クラブごとの集団と帰宅組の集団が並んで、カメラが13周するごとに、表情や衣装を変えて映る。
大成功で撮影した長い写真は、無事ギネスを更新し、全校生徒にも教師たちにも好評で迎えられる作品になった。
宏伸も新たな自分を見つけた気がする。その思いを従姉のあっちゃんは、誰かの笑顔を見たいから、みんな頑張るんだという。松本さんだって、ギネス記録よりも、自分の作ったカメラでたくさんの人を笑わせたことが、何より嬉しかったのだと。
そして自分も誰かを笑わせたいと思い、相手を考えたら、写真館の宮本さんだったので、結婚することにしたという。だから宏伸も頑張れと。