警視庁特別捜査第三係・淵神律子シリーズとの第1作。
ベガと呼ばれる連続殺人犯をビルに追い詰めた警視庁捜査一課強行犯捜査四係の女性刑事、淵神律子巡査部長と相棒の元岡巡査長。格闘術や射撃は得意だが、走るのは苦手な律子を後にして、元岡は犯人を追って一足先に屋上へ。遅れて屋上に上がった律子が見たものは腹を刺された様子の元岡。見通しがなく証明もなく暗い屋上を拳銃を手に進む律子。物音がした方を見た隙に腹を刺された律子は反射的に銃把で相手を殴った。ベガは律子のほほを切りつけ逃げ出すも、屋上の外縁部に追い詰められる。銃を握り追い詰める律子だが、発射と同時にベガは転落する。だが手が震えて当たったはずがない。覗いてみると、ベガは下のテラスに飛び降りて逃げたらしい。二人も重傷を受けながらベガには逃げられてしまった。
それから3年、その悪夢に今もうめく律子。彼女の父親はアル中で暴力を振るうため、母も二人の子も小さくなっていた。そして弟は首吊り自殺で死亡。実家には寄り付かず、律子は今看護婦の景子と暮らしている。律子がベガに負わされた傷で入院中に知り合った二人。詳しいことは話さないが、景子は息子をおいて離婚した。月に1回会うことができるようになったが、二人で会うのが怖い景子は、律子に時間があれば同行させる。
律子の相棒は歩行困難になり、退職した。顔と腹に受けた傷は整形すれば目立たなくなるものの、ベガの逮捕までは、忘れないようにと、律子は傷を見せて仕事してる。だから、スカーフェイスと呼ばれる。
犯人逮捕のためなら、単身で猪突猛進し、相棒を省みない律子は、警視庁内部で孤立していた。何度かの無茶な捜査で犯人をあげた律子は、捜査一課から左遷される。所轄に飛ばされることなく、迷宮事件の捜査をする特別捜査課へ。しかも、第一第二係は大部屋で仕事をするものの、彼女がいかされたのは、地下室にある資料の整理保管をもっぱらにする第三係。そこにいるのは役立たずの年よりの警官ばかりで、やる気をなくした律子は辞表を書くまでに至る。
そんな律子を奮起させたのは第三係で資料の読み込みに精通し、広辞苑と呼ばれる円。どうせ通常の捜査ができないのなら、ベガの捜査に特化してみたらいいと。今までの捜査資料は頭に入っているから、それを元に新たな見方をして、ベガにたどり着くきっかけをに見つけようと。
一見、通り魔殺人にも思えるベガに殺人だが、どうしても怨恨による計画的な殺人に思える。ただ被害者たちに共通点も関係も見られない。再度聞き込みをしてみるも、最初は五里霧中だった。
しかしやがて少しづつ真実に迫っていく。被害者たちには特に恨みを持たれることはなさそうだが、その家族には恨みを買う可能性が見えてくる。被害者のからだに残されたアルファベット。BEGA、その4文字から犯人はベガと呼ばれたが、新たな被害者の文字も加えて、律子の相棒であるキャリアの青年刑事は、痛みを与えた、GAVE PAINではないかと推量する。犯人も何らかの犯罪で家族を失い痛みを受けた。その仕返しに、恨みあるものの家族を狙って犯行を行ったのではないか?
円さんが、1年前の交通事故に注目する。酒酔いでひき逃げをした若者。被害者は有名なピアニストだったが、右腕を切断され、絶望して自殺した。それに関わったものたちの家族がベガの被害者だった。
そしてベガの最後の対象になったのが、律子が同居する看護婦、景子で、その幼い息子が人質になる。自らの命を的に二人を救った律子は、ベガを射殺する。
ベガの死で事件解決と思いたいが、どうやらベラには協力者がいたらしい。オペレーターと名乗るそいつは、再び入院した律子の携帯宛に電話してきて、挑戦状を突きつける。この世には警察の力では守れない正義がある。その罪を暴き償わせるのが彼の目的で、それをゲーム感覚ですることを律子に宣言する。
それが続編になり、確かすでに読んでいるはずなのだが、すぐに思い出せない。