やはり面白い。
都内で起きた窃盗事件と強盗事件。同じ地域で、半日ずれた同じ時間に起きた二つの事件には関連があると思ったベテラン刑事。犯人のメッセージを感じた事件。さらに起きた強盗殺人事件。警視庁捜査第三課で、窃盗犯の捜査一筋のベテラン刑事萩尾、その部下となった女刑事秋穂が、捜査一課との軋轢や駆け引きを駆使しながら、真実に迫っていく。
花形部署である捜査一課の扱う犯人は素人なのに対して、第三課の相手である窃盗犯はプロの常習者で、自分の仕事にプライドを持つ職人かたぎのものが多い。そんな彼らに対する刑事の同じような職人かたぎになっていく。犯人の確証よりも、犯人の気持ちを理解することを重視する萩尾刑事。
昔は第一課の刑事にもそんな職人かたぎの刑事もいたが、現代警察では疎んじられている。集団行動が第一で、個人プレーは嫌われ、排斥される。捜査本部が立ち上がると、そこでの行動は指揮官の命令一下行動する刑事が優秀だとされる。そんな一課の刑事はいつしかエリート意識を持ち、他の課を見下すようになる。
ここでも本部での萩尾は一課の刑事から下に見られ、軋轢が起こる。
犯人の気持ちなど忖度しない一課の刑事たちに、駆け引きしながらも、自分の捜査を諦めずに続ける萩尾。それを見ながら学ぼうとする秋穂。
一課は強盗殺人と言い張るも、プロの窃盗犯なら犯すはずがない殺人に、違和感を抱く萩尾。被害者の狂言を疑う萩尾。窃盗犯の自白を引き出されながらも、検事に直談判する萩尾。
事件よりも登場人物の魅力が、今野作品にはあるのかもしれない。
カバー裏の説明では、連続テレビドラマ化された作品。