ようやく読了、二日かけてようやく最後までたどり着いた。650頁余りの大作。架空の地方都市の県警での主要所轄書に配属された二人の巡査、ライトとアキラの、勤務実態を克明に描くと共に、その二人がある目的で選らばれて、その署に配属された重大事件の解決に至る過程を描いている。
警察学校時代には成績があまりよくなかったライト、教えられたことはすぐに理解し実行できる能力を持つ、女性のアキラ。
良き指導者に恵まれ、交番勤務を危なっかしながらも、順調に進むライトが、前半では描かれる。交番での立番、巡回連絡。
そしてアキラにバトンタッチして、警ら、職務質問の内容が事細かに描かれていく。
そして、ライトは知り合いの女性から重大な証拠物件を扱う。当時、署の館内では中学生高校生の女子失踪事件が未解決事案となっていた。その最後の被害者の持ち物だったと思われる物件を預かったライト。決め手がない捜査状況で、まともにそれを提出すれば、届けてくれた女性に過大な被害を与えることを心配したライトは、同期ながら頭のできの違うアキラに相談して、彼女がその処理を引き受けてくれた。
彼女にとっては、それがひとつのチャンスだった。未解決事案の突破口になると思い、ライトには理由を明かさず、協力を求める。アキラが疑っていたのは、彼ら警察一家のお父さんと言える警察署長だった。
彼女の狙い通り、所長あぶり出しには成功しかけたものの、署長の反撃により、ライトは瀕死の重傷をおい、アキラ自身も囚われの身になる。病院で覚醒仕掛けたライトを殺そうとした署長を、背後で密かに画策していた捜査本部が取り押さえ、無事に事件は終わる。
とはいえ、署長自らが未成年女子の誘拐監禁、異常愛、そして殺人の被疑者となることは、社会からの、そして被害者遺族からの非難は免れない。警察内部での政治関係で言えば、刑事の地位が落ち、公安警備の力が優位となる。
命を取り止めたものの、長い療養を経たライトは警察官をやめる決意をするも、治療のために出席できなかった警察学校での同期の卒業式に呼ばれ、無事に解放されたアキラと再会したことで、警察官を続ける決意をする。
新人教育の事細かな描写には少し辟易したものの、その背景にある重大事件の展開ともども、読ませるものだし、なかなか面白かった。