台風接近と共に、風雨が激しくなってきたようだ。
借りたときに刑事が出てくるから、警察小説の一種かと思ったが、どうも違うようだ。
迷宮入り事件の捜査を専門にやる特命捜査対策室に配属となった穴見警部。彼は占いが評判の鳥飼稔彦を訪ねて首都の南西にあるある町を訪ねる。かつてある事件で特殊な才能の片鱗を見せた彼に興味があった。その能力を彼の新たな職務に利用したいと思っていた。捜査に協力することになったナルヒコ。
穴見警部が現在扱っている迷宮入り事件を調べ始めたナルヒコは、被害者にも犯罪要件にも関連がないと思われる数件の事件の背後に1人の男がいることを察知する。
証拠を再検査すると、1つの身元不明のDNAが明らかになる。しかも、研究者によると、現在の日本人には既にに絶滅されたと思われる血統の人物。その男は偽名に見える佐藤一郎と名乗っていた。その素性が次第に明らかになる。二人の父親を持つ双子の兄弟として生まれ、兄は生まれつき優れた運動能力や知性を感じさせる子供だった。実の父親は行方不明で、その血を受け継いだ一郎から考えると、その人物もかなりの人物のようだ。
その人物こそ、警察はおろか政府をも影で牛耳るブラックハウスと呼ばれる組織のボスらしい。そのボスの指示により、暗殺を続けてきた一郎。その一郎が最近は、ボスの指示通りに動かないで、多少変更を加えて、使命を果たすようになった。
こうして、警察組織とブラックハウス双方に追われるようになった一郎が、様々な困難を乗り越え、罠を仕掛け、最後には死んでいくまでを描いた英雄譚とでもいえる物語。
彼の真意を知る手がかりとして登場するのが、シャーマンの血筋をもつナルヒコ。互いに親近感を抱き、通うものを感じる二人。