前から気になっていたこの作をようやく読了。
もと銀行員だった男が、突然失踪。そしてルんペン暮らしにはいる。
副支店長だった藤原道長はある日、銀行を退出した足で、失踪する。
上司である支店長が裏金をもらって、金融ブローカーに多額な出資をするのを阻止できなかったことが原因だった。その出資金の大部分を本当に資金を必要としている企業に勝手に融資したり、寄付したりして。そして、裏金になるはずだった差額の1億円だけを密かに隠した。
その1億の横領の罪で、警察に追われることも勘定に入れての、計画的な失踪だった。ニッチとは、生物生息する、それぞれ自分に適した環境の場所や条件のこと。人も同じような暮らしをしているように見えても、それじれ自分にあったニッチを求めて暮らす。もと銀行員だった主人公は、銀行員としてのニッチに絶望し、ルんペン生活にニッチを求めようとした。
そして、ある期間がたてば、支店長らの悪事も明かになり、主人公も1億円を返済するつもりでいた。
そんな主人公のルんペン生活の模様が主に描かれていく。後半になり、認知症になりかけている未亡人の元で、一時的な憩いのひとときを過ごすものの、そこを抜け出したときに、ついに悪徳金融ブローカーである中国人の手の者に見つかり、生き埋めにされかかるものの、何とか脱出し、密かに持ち出していた不正取引の証拠を、娘により公にすることで一矢を報いる。
ラストの結果まで描かれていないので、物足りなさは覚えるが、なかなか面白かった。