刑事姫川玲子シリーズ第2作。
多摩川土手に放置された車から、血まみれの左手首が発見される。車の持ち主である近所の工務店のガレージは血の海になっていた。
被害者は工務店の主、高岡だと思われ、捜査が始まる。
担当するのは警視庁捜査一課殺人班十係、地元蒲田署。十係は姫川班、日下班が参加。
姫川と日下は対照的な刑事で、互いの力量を認めながらも、捜査方法に関しては対立している。
捜査の展開の間に、高岡の元で働いていた三島耕介の話が割り込んでくる構成になっている。
捜査が進むうちに、驚くべき事実が明らかになってくる。耕介の父親は、暴力団に縁がある中堅ゼネコンの下請けで働いていたとび職だったが、転落して死亡。保険金が降りたが、大部分が借金の返済に当てられていた。
のちに、彼の恋人である専門学校生も同じような境遇とわかる。高岡は耕介の父親の同僚で、何かと耕介を気遣い、世話をして、中学を卒業した耕介を引き取って、仕事を教えてくれた。
耕介らの勤務先の親会社に勤めていた高岡。ビルなどの大きな物件しか扱わない会社をやめて、独立し、個人的な修理などをしていた高岡。特に恨みを買うこともない堅実な男を殺したのは誰か?その理由は?
調べは進むが、高岡の周辺から外には広がるも、なかなか高岡との接点が見つからない。
そんなとき、姫川は高岡の過去を追い、驚くべき事実にたどり着く。
高岡と名乗っていた男は実は高岡ではなかった。地上げにあっていた高岡が自殺し、土地の売買ができなくなるのを恐れた暴力団関係の不動産屋が身代わりをつくって、売買を強行。
交通事故により、妻を失い、植物人間となった息子を持つ男。莫大な入院費のためにと、身代わりとなった偽の高岡。その背後で糸を引いていた暴力団で不幸な出生をした戸部。自殺させて保険金で借金の返済をさせる悪巧みの首謀者は戸部だった。
彼こそが偽の高岡殺しの犯人だと判断し、行方を追うも、見つからない。
川の下流で見つかった胴体。最初の手首に付着していた血液により、同一人物だと思われていたが。姫川は気づく。偽の高岡ならばあるはずの交通事故の傷の痕跡がない。一方、日下は、胴体にある手術痕から胴体が戸部だと気づく。
被害者と加害者のすり替え。
初動捜査で姫川が話を聞いた多摩川でテント生活をするルんペンを思い出す姫川。具合が悪くて寝込んでいた男は、偽の高岡ではないか?捜査の混乱のために自らの左手首を切り落とした男。
姫川らが駆けつけたときには、男は死んでいた。容疑者死亡での不起訴となる事件。
タイトルのソウルケイジとは、父の死を経て作られたロックのアルバム名に基づくと、巻末の解説にある。
偽の高岡の耕介に対する父性愛、日下刑事のいじめにあっている息子への思いなどに現れている。