内田康夫氏が病のために中断した新聞連載小説。その続きを公募して、その応募作の中から最優秀作として、発表されたのがこの作品。
殺された不動産屋の主人の祖父で、名家の主義麿が残した膨大な日記、それに魅了され、引き込まれて読んだ浅見光彦。
不動産屋の主に引き続き、社員も殺され、その原因が日記に書かれている過去だと思った光彦。
藤原鎌足の古墳で見つかった天智天皇から拝領された金色の香呂。それが争いの原因となる。考古学者同士の対立と、それが引き起こした人間関係の変転。それが現在に影響して、その影に暗躍するのは義麿と親しかった男の遺児。年を取ってからできた子は素行が収まらず、人をだましそそのかして、事件を引き起こし、仲間割れで殺される。
熊野古道の入り口に立つ牛馬童子の首の盗難は、脅しの道具に使われた。
光彦の推理により、事件や反抗の筋道は解明され、犯人は捕まる。光彦はそれで止めようとする。
光彦は鎌足の秘宝を発見するも、世に出すことなく、老女の花瓶として放置することにする。

内田さんの浅見探偵シリーズに違和感ない、見事な結末のような気がする。応募作には100ほど集まったというが、その他にはどんなものがあったのか、知りたい気もするが。