警視庁文書捜査官シリーズ第4作。
古びたアパートの一室で絞殺体として発見された老人。遺体の傍らには殺人計画のメモがあり、鳴海警部補率いる文書捜査官も臨場する。さらに、新聞の活字をはりあわせた奇妙な文書も見つかるが、その解釈が見つからず苦戦する鳴海たち。
被害者は定年までデザイナーを勤め、そのご夫婦で暮らしていたが、5年前夫の留守に、寝たきりの妻のいる部屋が燃えて焼死していた。
被害者の部屋には分不相応なエアコン、テレビなどがあり、みな同じ電気メーカーの製品だった。テーブルの上には大きな皿がおかれていて、何に使われていたのか不明だった。
都内に住む甥に事情を聴くと、2年前にあったきりだというが、のちに、近所の防犯カメラで、最近被害者と会っているのがわかる。事情を聴こうとしたら行方不明になり、ついに絞殺体で見つかる。メモ通りの連続殺人が起こり、焦る捜査本部。
今回は文書捜査班に助っ人として、科学捜査係でIT関係を担当している谷崎巡査が加わり、被害者などのパソコン資料の捜査に手助けする。
被害者の老人が最近関心をもって調べていたことに気がつくことをきっかけに、ようやく事件の筋読みができる。
妻が死んだ火事は石油ストーブの引火だと思われていたが、被害者の老人は電気器具の不具合による発火ではないかという疑いを持ち、甥と協力して調べていた。さらに、電気メーカーに度々クレームをつけて、嫌われていた。犯人は電気器具の部品を調達していた町工場の社長だった。メーカーのコストダウン要求のために、部品を粗悪品に変えたことが発火の原因になっていた。クレームが公になるのを防ぐために、クレーマーだった老人とその甥を殺害した。殺人メモは本来、被害者が作成したものだったが、犯人がそれを利用して犯行を行った。
文書捜査班がいる科学捜査係の財津係長に含むところがある女性管理官岩下は、財津がこしらえた文書捜査班をなんとか潰そうと、虎視眈々と見守っている。今回もなんとか犯人逮捕にこぎ着けた鳴海だが、次回はどうなることか?