警視庁追跡調査係シリーズ第6作。
猛暑の8月、東京の西のはてで死体遺棄事件が発覚する。連続強盗事件で逮捕された犯人相澤が、突然自白。折しも恋人の両親に会うために、沖田は長崎へ向かい、西川らは強盗事件を手伝った縁で、遺棄された死体発掘に駆り出される。自白通り、遺体は見つかったが、その近くで別の遺体も発見され、相澤はそれは認めない。遺棄を認めた遺体の身元も理由も明かさず黙秘する。
事件の進展が見込めず、沖田も呼び戻されて、捜査に加わるも、膠着状態になる。
捜査が動き始めたのは、現場付近で目撃されたある若い女性の身元がわかってから。その女性の身辺を探っていくと、その悪女ぶりが明かになり、その身辺から被害者や遺棄を頼まれた男の存在が次第に浮かび上がってくる。特別美人でも色気があるわけでもないのに、彼女に接する男を意のままに操る妖しさがある。
最後には彼女が小学生の時に行方不明になった妹のように可愛がっていた下級生女子の遺体が発見され、彼女の犯行に思えるという点までで、追跡犯は捜査本部から離れることになる。
幼いときから自分の自由を得るために邪魔な友達を殺し、男を使って遺棄させてきた妖しげな悪女。怖い話だ。