「てのひらの闇」の続編、そして著者の遺作。
一種のサラリーマン小説とも言えるが、大企業の内部外部の軋轢や人物関係など、私には縁がない世界で、たぶん前作は読んでいない。それでもなぜか著者名が記憶に残っている。たぶん、乱歩賞、直木賞を受賞した「テロリストのパラソル」の好印象が残っていたからだろう。
かつて、同じ会社で働いたことがある親友の死を知り、その真相を密かに調べていく主人公。やくざの親分を父親に持つという特異な生い立ちを持つ主人公は、時に暴力に我を忘れるような時もある。怪しげな男の指を折るというような拷問に近い方法で、真相に近づいていく。
食品会社からコンビニ大手の管理職に転身した親友。会社目線よりもフランチャイズの個人店に同情的な考えにより、結局はつまはじきにされた。犯人には、親友の妻との過去からの繋がりと思いがあり、単なる見せしめのための暴力が殺人にまで発展したということか。
前作からの主人公を取り巻く人物たちに加えて、今作で目につくのは、優良企業の社長でありながら、主人公の資質に似た人物。主人公の馴染みのバイク乗りの女性に感化され、大型のブランドバイクを買い求め、ついにはその女性と籍を入れる。