アナザーフェイスシリーズ第3巻。
学生時代に演劇をしていた大友鉄。かつて所属していた劇団が創立二十年記念公演に招待された鉄は、十歳の息子、亡き妻の母親と三人で見に行く。
そこで演じられた芝居は鉄が昔演じたものだった。
舞台上でシナリオ通り、主宰の笹倉が、ナイフで刺され死亡。ナイフが本物にすり替えられていたようだ。異常にいち早く気づいた鉄は刑事として動き始める。
独裁君主だった主宰の笹森は誰にも嫌われていて、容疑者はスタッフ全員。
鉄は過去をふりかえながら、昔の仲間たちを容疑者として取り調べることになる。
真っ先に疑われた道具係りにはアリバイがあり、疑いは残るが解放される。その男を問い詰めようと仲間が集まった店で、毒殺未遂が起きる。鉄がいち早く毒物に気づき、死を免れた。まるでシナリオ通りに進む事件。次に狙われるのは主演女優と思い、警戒していたら、襲われたのは、今は有名俳優となった女優の恋人だった。
目的も判然とせず、捜査に難航するも、シナリオにはもうひとつオリジナルがあることがわかり、ようやく事件の進行がそれに合わせていること、その作者が犯人だと気づき、行方を消した犯人を見つけ、逮捕することで終わる。
芝居の世界という異次元に取り込まれ、現実との接点、オンオフの切り替えを失った者による異常な事件だった。
当時から付き合い始めていた鉄と妻の菜緒。鉄が刑事になろうとした動機を告白する。