一旦中断したものの、今ようやく読了。
読み終えてもやはり嫌な事件だ。
駅近くのコインロッカーから偶然発見された女性の左腕。新聞紙にくるまれ、紙袋に入っていた。その手には複製と思われる鍵が握られており、印刷された文書がある。次のパーツは、以下のヒントの場所にあるコインロッカーにあり、それを開ける鍵だと。
被害者の身元もわからず、犯人の素性もわからない。目撃者もいない五里霧中での特捜本部。警察への挑戦かと思われた事件だが。
主人公は、警視庁捜査一課殺人犯捜査第六係の城戸葉月。過去に弟を誘拐され、小指が送られてきたものの、それきり迷宮入りした過去を持つ。それを解決しようと警察官になった葉月。彼女の担当は事件の筋読み。本部で相棒になったのは、所轄の新人刑事。初めは頼りなく思えたが、行を共にすることで、その資質を認めていくと共に、なき弟の代わりのように思うようになる。
添えられた文書を解読して、次々とパーツが見つかり、また行方不明者リストから、被害者と思われる女性が特定される。
彼女の回りを聞き込んでいくことで、やがて容疑者が浮かび、密かに内定を進めて、尾行するものの、逃げられてしまう。家宅捜索をしてみると、遺体冒涜をした現場があり、犯人だと思われたとき、葉月は残された遺留品から、とんでもない発想をする。遺体切断をしたのは確かだが、残っていた血痕は、被害者とは別人だった。
2人の被害者がいて、犯人も2人ではないか。そして、パーツと共に残された文書は、警察への挑戦ではなく、犯人AがBに宛てたものではないか?
その発想から、聞き込みのなかで聞いた断片を思い出した葉月は犯人Bを割り出し、ついに逮捕にこぎ着ける。
Bがストーカーしていた女性DがAに殺され、四肢を切断された。それを知り、死体を盗み出したBは、Aの愛する女性Cを誘拐し、同じ処置をした上で、パーツをコインロッカーに納め、Aに探させた。あくまでもDの遺体のパーツと思わせて、実はCのパーツを集めさせようとしたが、偶然警察に発見だれてしまったというわけ。
しかもBは好きな女性Dをきれいなままに保存しようとして、Dの友人だったエンバーマートと呼ばれる遺体処置をする女性を誘拐監禁していた。監禁された彼女の様子が、挿入されていて、なかなか臨場感があった。
女性に対する異常な思い、それを保存して剥製にしようとした犯人の異常さが、怖い話だ。