期待以上によかった。
主人公は7才のエルサ。彼女と仲がよいおばあちゃんは77才。
ハリーポッターやスーパーヒーローが好きで、学校では孤立していて、いつも追っかけられて逃げるのが得意なエルサ。インターネットのウィキペディアを使いこなすかわいい子だが、理屈っぽくて生意気だと大人にはうつるようだ。
両親は離婚して、母には同棲する男、イェーオリがいて、今妊娠中。実の父親も今は別の家庭を持っているが、週に一度会っている。
そんなエルサのおばあちゃんは、変わってる。いかれてるとも言えそうな変人だが、もとは有能な外科医だった。しかも戦争地域や大災害の現場で働いていた。おかげで、実の娘のエルサの母は孤独な子供だった。そのために、性格は祖母と逆で規律にやかましい。祖母がカオスなら母は秩序。そんな母は病院を経営してる。
おばあちゃんは、エルサにとっては唯一の友達だった。そして、おばあちゃんが創作したおとぎ話を話してくれた。ファンタジーとも言える話しにより、二人には共通の言葉があり、エピソードがある。
そんなおばあちゃんがガンになり亡くなってしまう。そして亡くなる前に、エルサにある依頼をする。人生でいろんなことをしてきたおばあちゃんは、そのお詫びを言いたい人がいる。それを手紙にして、信頼する孫娘にたくした。
エルサが住む住宅は5階建ての賃貸住宅。5階には祖母と、隣に母やエルサたちが住む。4階にはブリット=マリーとケント夫婦と、黒いスカートの謎の女が住み、3階にはレナートとマウド、そしてタクシードライバーのアルフが住んでいる。2階にはなんとか症候群の男の子と母親、そして部屋に閉じ籠っているモンスター、さらに大型犬のウルスの3部屋がある。1階はエントランスと集会室。地下には洗濯室、倉庫、ガレージがある。
どの住人も一見変人で、一癖ある住民たち。
祖母の手紙はなんと、その住人たちへの手紙だった。
手紙を届けることをきっかけに、彼らと知り合い、お供になったり、友達ができ、やがて彼らがバラバラな人ではなく、祖母を中心にして、深い繋がりがあったことがわかってくる。祖母のおとぎ話は荒唐無形なものではなく、彼らの人生や経験に材を取ったものだとわかってくる。それにより、彼らへの印象も思いも少しづつ変わっていく。そして最後には、祖母の目的が明らかになる。

読んでいて気づかなかったが、舞台はスウェーデンなんだ、全く違和感なく、英語圏の国だと思い込んでいた。作者はあえて、そう書いたのだろう。具体的な人名の名字や地名が出てこない。