2017年、第28回鮎川哲也賞受賞作。本格ものの推理作家鮎川の名を冠した賞では、珍しく日常の謎もの。選考委員に加納朋子、北村薫という、そのカテゴリーの名手がいるだけに、受賞できたというから、かなり期待したが。私に目がないということか、それほどのものとは思えなかった。
北海道の中学2年のバスケット部の女生徒、真史が主人公。同じ部員の3人の同級生との間で持ち上がる謎解きを、彼女の幼馴染みである歩に依頼するという流れで展開する。
最初は真史が受け取った差出人不明のラブレターに関する謎を、歩に相談にいく。歩は幼い頃から大人びていて頭が切れた。同じ中学生のはずだが、3日間しか学校に行ってないという。
同級生で部活仲間の京介はピアノの演奏もうまく、クラスの合唱会の伴奏をすることになるが、指揮者を勤める望月ともめる。一旦二人とも伴奏と指揮をやめることになるも、先生の提案で望月が指揮をやることになるが、京介は伴奏しないと、そして望月に思い知らせてやるとうそぶく。何をするつもりか不安になる真史。歩に相談する。
忘れていた誕生日の代わりにと、総士に付き合って、海を見に行く真史たち。他校に彼女がいる総士だが、その旅のあとなぜか、彼女を避けていた。なぜか?
歩が夜遅く、真史を訪ねてくる。それを知って小言を言う父親に反抗した真史が家出。夜になっても帰らず、電話があり、帰れなくなったという。心配した友達3人は、歩に相談し、居所を推理してもらう。
計4編のミステリー。
審査員によれば人物がよく描かれていると言うが。