これまた最近テレビドラマを見て、読んでみたくなった作品。ようやく読了。やはり、テレビとは設定が多少違う。

京都で行われた国際生花シンポジウム、その日、一人の雑誌記者が殺された。死因は毒物で、死体は東山ドライブウエイの橋の下に遺棄されていた。ゴシップ取材や恐喝めいた取材もする評判のよくない記者だったが、京都へ何の取材に来たのかがわからず、警察の捜査は行き詰まる。そんなところへ、浅見が取材に来る。死んだ記者は、お馴染みの編集長に、面白いことが起こると言っていたと聞いた浅見。
室町時代から続く華道家元の丹生流。その相続が話題になっていた。家元には一人娘しかおらず、弟子だった者が婿養子になり、これまた一人娘がいて、その感性に家元も注目していた。
家元制度に反抗する新進の華道家牧原。華道家を目指すきっかけになった嵐の夜の出来事。取材により、家元の孫娘奈緒や牧原と知り合う浅見。やがて、ホテルの一室で、牧原の秘書である中瀬が撲殺される。
奈緒は父親の浮気を疑っていた。しかも、相手は親友の母である置き屋の女将。その娘である親友は異母姉妹ではないか?
家元にたてつく牧原の芸術的な作品に瞠目する奈緒。それを叱る両親に反発して家出する奈緒を保護したのは浅見。浅見の母親から、家元制度の意味を教えられた奈緒。
雑誌記者や秘書は家元婿養子の不倫を餌に恐喝をしようとして殺されたとわかるも、では犯人は誰か?証拠は?浅見もなかなか真相にたどり着けない。不倫の婿養子と女将にはアリバイがあり、それではと、目をつけたのが家元夫人で、奈緒の祖母。彼女はもしかして、牧原の過去にであった謎の女かもしれない。じかに問いただすも、からぶり。
最後にたどり着いたのは、流派の最高位の弟子で、婿養子の母親だった。
しかし、真相がおおやけになれば、家元の家族はもちろん、多くの弟子にまで混乱を引き起こす。浅見はそれでも二つの殺人という犯罪に目をつぶれない。選んだのは、犯人に自決を求めることだった。
こうした結末がいいか悪いか、一概に判断はできないが、スッキリしないことは確かだな。警察もつんぼさじきになり、浅見が親しくなった刑事にも何かしら教えられたらよかったのだが。