昨日から読みはじめて、どうにか最後まで読み終えた。
鎌倉でツバキ文具店の跡を、祖母から受け継いだ鳩子。近所で喫茶店を開いていたミツローと結婚した。彼には5歳の娘はるみがおり、鳩子はQPちゃんと呼ぶ。実の母親美雪は、どうやら通り魔の犠牲となって死んでいるらしい。QPちゃんを媒介にして結ばれた鳩子とミツロー。
QPちゃんが小学生になるのをきっかけに、入籍した二人。でも平日は別々の暮らし。ミツローにも鳩子にも店がある。QPちゃんは学校帰りに鳩子を訪れ、一緒に過ごす時間があるが、ミツローとは週末の休みにしか会えない。
そんな二人だったが、文具店近くに、空き店舗が出て、そこへ、ミツローの店を移転することになり、後半では文具店で同居することになる。
ツバキ文具店は代筆業も営んでいる。お客の注文に従い、紙を選び、筆記具を選んで、お客になりきって、代筆する。文章の文句も客に話を聞いて、書く事情や客に合う文句を考え出して、書いてやる。
母の日に盲目の少年が日頃の感謝を述べる手紙とか。家庭を振り向かず勝手放題なまま死んだ夫からの詫びの手紙を頼まれたり。
熟年夫婦の離婚の危機に際して、妻からは別れを告げる手紙を、夫からは復縁を願う手紙を頼まれたり。頼まれて書く代筆はその事実も内容も他人には明かせないから、皮肉なことに鳩子が双方を演じることになってしまう。
普段代筆してる鳩子は自分の手紙を書くことがない。そんな鳩子はミツローが文具店へ引っ越すことになり、一緒にミツローの住まいの整理をしていて、なき妻の日記を見つけてしまう。其れが原因で口喧嘩して飛び出した鳩子は、一人でいる寂しさを痛感するも、じかには謝れないと、手紙を書いてミツローに詫びる。
生まれて8日で亡くなった息子のことを報告する喪中葉書を頼まれることも。
昔旅行中に立て替えた交通費をいまだに返されてないことを告げる老婦人から、入院する友への手紙。

結婚してからは遠慮して前妻のことを一切口にしないミツローに不満な鳩子の気持ちの乱れ。亡き妻であり母だった美雪をオープンにして。ひとつの家族としていきたいと願う鳩子。
鳩子を捨てた実の母親は、鎌倉の町で奇抜な格好で放浪している。そんなレディーババが、鳩子の前に2度現れ、金の無心をするので追い返す鳩子。どうやらその後、鳩子と結婚したミツローの店に現れた。彼によれば厚化粧をしていても、鳩子に結構似ていると言われ、腹が立つ鳩子。いくら嫌な相手でも母であることは消しようがない、生んでくれたことだけは感謝しないといけないと、ミツローに諭される鳩子。

鳩子の祖母がイタリア在住の婦人と文通して、誰にも言えない悩みを打ち明け、相談していた。亡き祖母の代わりに、自分と文通してもらえないかという鳩子の手紙への返事が届く。祖母の手紙で、いきなり同居することになった孫娘の話を聞いていた婦人は、快く承諾してくれた。

空を見上げたら、いつでも星は輝いている。日中でも見えないが輝いている。キラキラと。私たちはいつでも縁のあった人々の輝きに見守られて生きている。キラキラ輝くものがある。