読んでいると、以前にも読んだことがある気がした。ただ今回もラストがよくわからない。
仲のよい義兄圭一が飛行機事故の被害者になったと言う連絡を受けたウサギと呼ばれていた妹のリツ子。兄の同僚で、彼女のもと夫でもある岩崎から、リツ子宛の圭一の音のメッセージがあると聞かされた。音響技術者だった圭一は、日本の音風景を独自に収集していたらしい。その記録を聞いてみると、何か違和感がある。その音の録音された地を訪ねて、録音された音を検証していくうちに、リツ子は、それが兄により、技術的な改編されていることに気づくと共に、それらがリツ子に宛てたものではなく、同じくウサギと呼ばれた、別の存在、圭一の恋人に宛てたものだと気づく。
そして最後にはその女性に会う必要があると思うリツ子。一方、もう一人のウサギ、成瀬彩子もリツ子に会いたいと思っていた。二人が会う寸前で幕切れになるラスト、それがよくわからない。これで完結なのか?あいにく、急死した著者の遺作だから、その先は確かめようがないが。
成瀬の犯罪のアリバイ作りをしたために、共犯となったことを苦にして、焼身自殺した圭一。その現場を訪れて、黒こげの遺体を持ち去り、飛行機墜落現場に放置することで、事故死に思わせたリツ子の所業。なんかその辺も、取って付けたようで、いまいちよくわからない。
音風景の音源を訪ねる旅が描かれた部分や、圭一の録音が必ずしも現地の音のみではなく、余分な音や足りない音があるように改編されていることを探求していく過程は、なかなか面白い気がしたが。